#136 その人らしいジュエリー
年末にご依頼いただいたメキシコオパールのオーダージュエリーに、やっと着手できる。 やっとだ。
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別の方から先に承ったご依頼などもあったり、
年末年始も重なったり…、
それらがやっと少し落ち着いたのだ。
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新たにデザインをはじめる日は、
朝から拭き掃除して、空気を入れ替えて、
お香をたいて、清々しい気持ちで臨む。
お預かりした石たちを一つ一つじっくり観察。
地球の反対側から、
私の手元にやってきた可愛いオパール達を眺める。
至福の時。
小粒な人たちが沢山いらっしゃっています♪
(石やジュエリーの事を擬人化して「人」と呼ぶ、業界アルアル。)
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デザインは既に、ぶどうのピアスと決まっていて、
ダイヤのぶどうピアスをご覧になってからのリクエスト。
オパールの濃淡と艶やかなカボションカットがぶどうの実そのものだなぁ、と嬉しくなる。
ただ、このオパール達は大きさがそれぞれ違うので、ちょっと大変そう…。
職人さん泣かせでもあります。
「面倒だなぁ」という表情をする職人さんの顔が、目に浮かぶ訳です…。
また、左右で可愛く「ぶどう」にみえる事も大切。
真っさらな紙の上で、
石の位置や向きをひたすら動かすこと1時間・・・
ハッ!迷い過ぎだ、と思うのだけど、止められない。
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微妙な角度や向き、配置が本当に気になる。終わりがない。
たぶん、最初に配置した案がきっと良いハズと思っていても
「もしからしたら」という気持ちに勝てないのです。
また、配置している最中に、
上の6石がお花っぽくみえると、お客さまのイメージにピッタリだ!と、素敵な考えも浮かんできて、楽しくなる♪
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というのも、お花みたいにパッと咲いてる感じの方で
それも元気に全開で花開いている感じ♪
そうなれば、その人らしいピアスになる、と思うのです。
まだまだ工程は長いし、
職人さんにもきっと無理をたくさんお願いすると思うけど、
きっと、その人らしい素敵なジュエリーになると、
ワクワクしている。