#126 シンプルなモノほど
最近つくったものの中で、一番満足できて予想を超えてよかったモノが、3個石のネックレスだった。
デザインとしては、昔からある定番のカタチ。石をタテに3つ並べただけのモノなので、特に珍しくもない。石の種類とバランスで、特徴が出るので、デザインらしいことは何もしていない。
特に、気を付けたことは、
どんなチェーンも通るバチカンにすること。
(バチカン→チェーンを通す金具部分のこと。三味線のバチに似ていることので、この名前がついたとか…)
石と石のつなぎ目が間抜けにならないこと。
この二つくらい。
シルバー原型も確認していたので、
出来上がりもだいたい想像できていた。
それが、18金になって仕上がってみたら、
「なに?カワイイじゃん!」
・・・・
殆どの場合、良い印象にならない私の感想が、この定番ネックレスで「カワイイ」が出て、自分でも驚いた。
手に取ってみても良い感じで、何てことないけど、揺れる感じもキレイ。我ながら、ちょっと感動さえした。
逆に一般の方だと、そんなに感動しないと思うし、同じ業界の人も感動しないかもしれない。
「え?普通だけど。」って感じるかな、とも想像します。
自画自賛で、恰好悪いですね。笑
自分なりに、要因を考えてみた。
一つは、やはりつなぎ目の部分。
石と石との距離が、ほど良いこと。
マルカン(小さな輪っか)が丸出しじゃないこと。
また、下二つの石はくっついているのですが、くびれがあって美しいこと。
・・・・
二つ目は、石の高さを石ごとに変えたことかな、と思う。
当たり前の話ですが、ジュエリーは小さな世界だけど、ちょっとした厚みや高低差をちゃんと考えるだけで、印象が変わると感じます。
着けた時のそれぞれの石の印象や輝きの違いを想像して、考えています。
・・・・
三つ目は、何はともあれ、職人さんのウデの良さです。
石のフチの幅は均等で薄くなめらか♪ とても綺麗に作ってくださっています。いつも心強く、有難いと感じています。
本当に、シンプルなモノほど難しくて、
それだからキチンと考えて、丁寧に作ると、この上なく美しくなるのだ、と実感したジュエリーリメイクでした。
(先月行った愛宕神社の階段がすごかったです。)