#121 しつこさと鈍感力 作り直し日記再び
執着やしつこさは良くない、と日頃から思っている。
でも、今まさに自身の執着としつこさに嫌気がさしている。
前にも書いた、原型を何度も作り直し、途中で止めようとしていたモノがやっと18金として上がってきた。
最後に石を留めて磨けば出来上がりのハズが、
何とも気に入らない。
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散々、原型に石をはめて出来上がりを想像したのに、
いざ18金になった段階で「これは違う」と感じるなんて。
相当ショックだし、相当バカなんだと思う。
なんで原型の時に気づかなかったのか?とか
何年ジュエリーつくってんだよ、とか
自分への怒りがワナワナ込み上げてくる。
ここまで協力してくださった職人さん達にも、
申し訳なくて、悲しい。
一旦、このまま作って終わりにし闇に葬り去ろうか、そんな思いも過る。
暗い沼に沈んでいく気持ちで、18金枠と石をみつめ、
途方に暮れていた。
・・・・
1時間たった頃、BGM的につけていた音声コンテンツから
「しつこさは強み」というフレーズが耳に飛び込んできた。
その部分だけキャッチできる自分の耳もどうかと思うけど、
今の自分を救ってくれるようで、音量をあげ、すがるように聞き入った。
何かを成し遂げる時、しつこさは強みになる、粘り強さなのだから。同時に、鈍感力を持つと最強。とのこと。
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なるほど。(←現金すぎる、これが鈍感力か?)
私の一番の落ち込みは、自分の判断の甘さが一番嫌悪だけど
それ以上に、また職人さんに迷惑をかけ苦労をさせること。
ひいては、「この依頼主、困ったもんだ」と思われることが、きっと嫌なのだ。
関わりが薄い人に、嫌われたり馬鹿にされたりするのは、
全く気にならないけど、
お世話になっている人や信頼している人に、「アホだ」とか「困った人だ」とか思われるのは、何よりも悲しい。
そして、そんな方々への鈍感力は身につけたくない。
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それでも、やっぱり、このままジュエリーにするのは後悔すると分かっている。
正直に話して、もう一度作り直してもらおう。
嫌がられても仕方ない。
そして、鈍感力を発揮せずとも、「もう少しだけ」要領よく
素敵なジュエリーがつくれるよう、努力しよう。