#120 お守りのようなもの
先日、はじめてお会いした方から
「あなたのジュエリーをみていると、着ける人が幸せになるような気がする。伝わってくる。」と褒めて頂いた。
こんなに嬉しい言葉をいただいたことはない。
大切なものが伝わったような気がして、とても感動した。
特にジュエリーの接客をした訳でもなく、私がつけていたジュエリーをみて、そう感じて下さったのだ。
・・・・
ジュエリーの起源はお守りからはじまっていて、
持ち主の心が晴れやかになったり前向きになったりする事が
私は、一番大切だと思っている。
もちろん、ファッションとして美しく素敵な事は当然の話。
なので、とても、とても、オコガマシイ話だけど、
私としては「お守りのようなもの」を
作らせて頂いている感覚なのだ。
・・・・
なので、デザインを考える時も、
自分の気持ちが明るく晴れやかな時にしか描きたくない。
心がザワザワしている時や気が沈んでいる時には、デザインしない。
その嫌な気持ちを持つ体や頭で、
誰かの宝ものを考えるのは違うと、感じている。
ジュエリーに、
その気持ちが入ってしまいそうで心配なのです。
滝行の後にデザインしたいくらい、…寒いな、撤回。
・・・・
その為、前職時代は本当に新作を出すのが苦手だった。
会社はいつも動物園のようで、イザコザがたくさん渦巻いている環境だった。手が進まな過ぎて、デザインが好きじゃないのかと思ったほどだ。
・・・・
今は自分のコンディションはもちろん、
作って下さる先様も意識の高い「本当に良いものを届けたい」という想いがある工房さん達なので、本当に有難い。
・・・・
石を買い付ける時にも、数多ある宝石の中から、
ポジティブな印象を受ける石に食指がのびる。
結局、それが価値的にも良い宝石な場合も多い。
・・・・
工房からジュエリーが仕上がれば、
勝手に吉日にお客様に届けたくて、遅れている場合は別だが
暦の良い吉日に届けたりしている。
・・・・
梱包する際も「○○さまのお役にたつのじゃぞ~」とか
「着ける方が幸せな気持ちになりますこと」とか、
ジュエリーにいい聞かせて、念をこめて送り出している。
念って…怖いですね、「想いを込めて」です。笑
単に、ジュエリーを通してハッピーな気分をお届けしたいだけなので、怖がらないでくださいね。
・・・・
「あなたにはこのジュエリーが必要ですよ~…」
「これを持つと幸せになれますよ~…」なんてことは、微塵もないし、何なら「ジュエリーを手に入れても、それを着けて感じるあなた次第。」
「あなたが行動することでしか幸せにならないよ」と思う。
それでも、着けた人の気持ちが明るくなる、
「お守りのようなもの」になる事を願って作っています。