#110 手放す、手放さない
連休に秩父の宝登山神社に行ってきました。
「宝」「登」「山」縁起の良い字面♪
以前から気になっている神社でした。
期待以上、とても心地の良い神社で、
晴れやかな気持ちと律されている感覚を受け取りました。
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いつも「自分と周りの人たちが元気なこと」
「自身のジュエリーがたくさんつくれること」
基本、お願いはこの2つなのですが、今回は、後者の思いが強かったと思う。
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いつものこと、自分のジュエリーが出来ていない日々。
特に進まないジュエリーがあり、しつこく修正している。
実際に、その修正に気が付く人がいるのか?と考えると、自己嫌悪にもなる。
それでも、自分が気づいているのに直さないのは、騙しているようで、心地悪くて手を加えてしまう。
執着していて嫌だな、とも感じていた。
そんな時、このデザインとほぼ同じデザインをクライアントから依頼され、困惑。
シンプルなデザインなので、被ることはジュエリー業界では珍しくない。
それに、中におさまるモノが全く違うので、同じにはみえないから何の問題もない。
それでも、心がザワザワして、何度も作り直していることの気疲れと、残念な気持ちも相まって、全部、止めたくなった。
それで、自分の方はそのデザインをやめることを伝えた。
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しばらくはスッキリして、執着や気疲れからも解放され、気分も良かった。また、別のものを考えようと。
そんな気持ちで宝登山神社にお参りしていた訳です。
神々しい山頂の奥宮で
たくさん自分のジュエリーがつくれますこと、と参った後、
ふと、あのデザインでつくりたかったなぁ、という思いが浮かんできた。
そんな自分にも少し驚いた。
そんなに、つくりたかったんだ、という思いと
当時の、感情的な判断は浅はかだった、という思い。
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そりゃそうだ。
何か月もあんなに(ディティールに)こだわって、一寸したキッカケで全部手放してしまう、アホな自分。
未熟だなぁ、と悟った。
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世の中、「手放さないと入ってこない」と良く聞くし、
それに激しく賛同するタイプですが、
簡単に手放してはいけないものもある訳です。
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やっぱり、これは作らせてもらおっと。