#91 いとしのPOMPON
去年7月から、ソワソワしていたフランソワ・ポンポン展。
やっと行くことができました。
11月に群馬の館林美術館に行く予定が、諸事情で何度もスキップ、やっと先日、千葉の佐倉市美術館でポンポン作品にご対面できました。
作品数は少ないように感じましたが、まだ知らなかったポンポンの魅力を発見でき、勇気も貰ったようです。
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オルセー美術館で牡鹿に一目惚れしてから、熱烈なファン。
遭遇した瞬間に、鹿がたたずむ森に、静かに引きこまれた感覚でした。
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今回も愛おしい動物たちが沢山いらっしゃって、ずっと口角があがっていました。
なかでも、鳥たちの彫刻が興味深かった。
鳥に対して特別な感情などなく、カラスが煩いとか唐揚げが美味しいとかくらいで、興味の対象外だった。
(小鳥のさえずりはカワイイな、と思いますよ。)
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今にも歩き出しそうな、
体重移動の瞬間をとらえた2足歩行のガチョウやうずら。
羽根を表現してないのに、ふわっふわの羽毛がみえる鳩。
首のくびれが見返り美人のホロホロ鳥。
今でも鮮明に目にやきついています。
あー、愛しくてたまらん!
ほかの動物たちも、省いて省いて残ったフォルムの中にみえる、個々の個性や気性が伝わってきて、
本当にすごい彫刻家なのだ、と感動した。
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一番衝撃だったのが、鳥の尻尾が途中で「スパン」と切られていたこと。
尻尾の先端まで綺麗に表現されているものもありましたが、いくつかは気持ちよくカットされていました。
私なら悩んだあげく、自然とフェードアウトで細くするか、地面に尻尾をつけ、取り繕った表現をするのかな、、、
潔すぎるなー、ポンポン氏。
こんな表現もあるんだと驚き、胸に刺ささった訳です。
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また、ポンポンさんの年表では、
若いころは人物彫刻にこだわっていたようで、この動物彫刻たちは晩年期のもの。
50歳ごろから本格的に取り組んでおり、
代表作のシロクマで彫刻家として認められたのが、67歳の時だそう。「すごいな。」
今でこそ、人生80年といわれますが、
100年前のフランスで初老のポンポンが生み出した彫刻や
フランソワ・ポンポンの人生そのものが
「まだまだこれから、年齢など関係ないよ」と
語ってくれているように感じて、勝手に「勇気」をもらった次第です。