#84 石沼
年末にランドスケープアゲート、ピクチャーアゲートなる石を手に入れた。
甲府のジャパン・ジュエリー・フェアでみつけました。
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通常、私は大きな展示会で石を仕入れることはなく、
(ちゃんと探せば掘り出し物があるのでしょうが)
いつもお世話になっている石屋さんから頂くことが殆どです。
そんななか、この石に心を射抜かれました。
モロッコでみた風景そのもの。
砂漠や空、緑、湖、建物などの景色が、一瞬で目の前に、広がり「確かに、この風景をみた」と心が震えました。
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石は厚みが2~4㎜程度で、何層かに分かれており、
模様がある層、違う色の層などが複雑に重なって、風景を織りなしています。
その為、不思議な奥行感がでて、本当の景色がそこにあるように見えるのです。
うわぁ~…、と声が出てしまうほどです。
とにかく、たくさんあったランドスケープアゲートの中から、浮き上がってみえた選りすぐりの風景3石を連れ帰った。
シンプルな枠をどうするか、
小さい石はリングで大きい石はロングネックレス、既に頭の中で決まっていました。
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家で、再び石達を手に取って、長い時間ウキウキしていたのですが、
次第に、この石はジュエリーにしない方が綺麗な気がする、と真剣に悩みはじめました。
淡い色や透明の部分が活きて、風景にみえるので、肌やお洋服の上にのせると、美しい風景はみえづらく、魅力が激減。涙
がーーーん、「ジュエリーにしたくない。」
魅力的な石をみて、そう感じたのは初めてです。
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いろいろ考えたさ。
石の下に白蝶貝の板を敷けば、どんな装いにも美しくこの石が楽しめる。
「でも、なんか違う。」
透けている層にも淡い色があるし、下に石を敷くのは野暮だ。と心の声が言う。
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これが石沼ってことですか?笑
SNSでみかける、ひたすら石を収集している方々の心情が ”ちゃんと” 理解できた気分。
愛でるための石もアリかな。
本当は、この美しさに叶うジュエリーが作ることが出来て、共感くださる誰かに届けたいけれど、
なんだか、このままが良さそうです。
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もしくは、白シャツ好きなので、その時にだけ着けるロングネックレス。(わ~、贅沢だ~)
もしくは、「白コーデ愛好家さま、ご連絡ください♪」