#79 アダムとイヴのりんご
ちょうど1か月前に、#75でルビーについて綴っていたのですが、そのルビーでつくったジュエリーが先週あがってきました。
「アダムとイヴが食べた、食べてしまった、魅惑のりんご」
それがこのルビーのイメージでした。
それも、デューラーが1504年に描いた銅版画のアダムとイヴ。
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石屋さんで、このルビーをりんごの枠に入れた際に、
ふわ~と、このデューラー師匠(と勝手に呼んでいます♪)の銅版画が浮かんできて、
「お…、 あのアダムとイヴの りんご っぽい!」
と、勝手に一人で想像して、楽しくなって、連れ帰ったのでした。
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もともとダイヤでつくった りんごのピアス があって、
それが好きだと仰ってくださる方が何人かいらして、それならルビーでも作ってみようかな、と枠に合うルビーを探していました。
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実は、別のルビーをキープしていたのですが、
それは、色味や照り、価格などを総合的に考えて「これなら可愛いりんごピアスになるかな。」との思いでした。
アダムとイヴのルビーよりも、一般的には少し上質で、高価なルビーだったと記憶しています。
ピジョンブラッドではないですが、ルビーらしい色でした。
ほぼ、そのルビーを購入するつもりだったのですが、最後の石屋さんでアダムとイヴのルビーに出逢ったのでした。
最初は、あっちの方のルビーかな~、ちょっと色がほの暗いし、私は好きだけどピンク味が強いから、一般的に好まれないかな?なんて思って見ていたのですが、
枠にはめたら、ランプの魔人が出てくるみたいに想像が想像をどんどん連れてきて、
「あれ? 禁断の果実にみえる~、魅惑の色だ~、
もしや、毒りんごっぽい色なのか?毒りんごルビーか?
いやいや、毒りんごは、白雪姫が食べるから、それこそピジョンブラッドの華々しい赤、発色の良い赤じゃない?
これは善悪を知ってしまったアダムとイヴの禁断の果実だ~、きゃ~、わ~。
可愛いモチーフなのに、罪深い色は大人のジュエリーだな。」
などと、めくるめく妄想が頭の中で大騒ぎ、このルビーは 「りんごにせねば」と連れて帰ることにしました。
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さて、出来上がったりんごピアスは、いかがでしょう。
アンニュイで少し愁いをおびた禁断の果実にみえますか?
12月17日(金)に発売予定です♪