2021年1月15日に思うこと。
早いもので2021年になってから、もう15日も経ってしまいました。
そういえば、二日前は新月でしたね。
唐突ですが、
15という数字は、古来より日本(東洋)では「完全」や「完璧」を意味する数字なのをご存じですか?
月の満ち欠けが関係していて、15日が一つの周期で、満月を十五夜と呼びますよね。15は月が満ちる最も完成された姿であることから、「完全」を表すものとして考えられていました。
だからなのか、神事も15日に行われることが多い。
新年も15日になり、はて何か完璧なことはあっただろうか。
あれをやりたい、これもやらねば、と思うことばかりで全く出来ていない。
不甲斐なさに、2021年大丈夫か?と心配にもなるが、そんなときは京都にある龍安寺を思い出す。
龍安寺は石庭が有名で、世界遺産にも登録されています。
ご存じの方も多いと思うのですが、ここにも15にまつわる数字があって、石庭に配置されている石の数は正に15石。
しかし、この庭に訪れて配置された石を数えてみると、どの角度から見ても14石しか見えない造りになっています。
何故、そうしたのかは諸説あるようですが、
15が「完全」ならば14は「不完全」を意味し、不完全な庭、なわけです。
このメッセージは、「足りないものを見つめ、今ある自分を心から感謝し、そして精進する。」そういう禅の教えを表していると言われています。
また、日本には「満つれば欠ける」という、“物事は完成した時から崩壊がはじまる”という思想もあって、建物をあえて完成させないまま造る風習もあります。(日光東照宮の陽明門も1本だけ柱の模様が逆さになっています。)
この龍安寺石庭の解釈も諸説ありますが、
日本人特有の美意識である「不完全なるもの」や「余白の美しさ」「わび・さび」があり、人をひきつける魅力があるのだと思います。
随分昔に何も知らず訪れたことがありますが、それでもその美しさや儚さ、静かな佇まいに感動したことを覚えています。
私もそんな日本人の美意識が宿ったジュエリーをつくれたらな、と思います。