ルビーでも、エメラルドでも、いろいろある。

ルビーでも、エメラルドでも、いろいろある。

最近、依頼をうけているお仕事で、ルビー、エメラルド、サファイアなどの宝石を使ったジュエリーを考えています。いわゆる、五大宝石とか四大宝石と呼ばれる、世界で代表される宝石で、希少性がたかく紀元前から愛されている高価で魅力的な宝石たちです。

写真は前職でつくったエメラルドとルビーのリング。

それで、甲府の信頼のおける人に使いたい品質や価格帯を相談したところ、驚いたことに、考えられないような安い価格のルビー、エメラルド、サファイアがあり、そちらの方が数や色、カタチを揃えやすいというのです。もちろん、おススメされた訳ではなく、ただ、揃えやすいのは安価な方だと。

いったいどんなモノかと思えば、偶然にも、最近あるジュエリーイベントに参加された人に聞いた、大きな(たぶん1ctくらいある)発色の良いエメラルドのリングが、これまた信じられない価格だったということを思い出しました。

きっとこれらの宝石は、染めたり色のついたオイルを浸み込ませたりしたモノなのだろうと想像します。

実際、どんなに質の良いエメラルドでも、内部のヒビや傷がカットや研磨などによってそれ以上拡大しないようにするため含浸処理といって「透明のオイル」を施されているのですが、この話にきいたエメラルドは、色のついたオイルやワックスを使って人工的に染めているのだと思います。(前者はエンハンスメント、後者はトリートメント。次回このことについて書きたいと思います。)

どこからどこまでが天然の宝石でどこからが天然ではないのか、そして、どこに価値があるのか、カラーストーンは本当に難しい、と思います。

上記のような高価な宝石以外でも、「天然石」とうたっているジュエリーで、どう見ても染めているよね、と一目でわかるものも少なくありません。

多様化の社会になってきて、価値もどんどん変わってきて、いろいろな価値感があって良いと思うのですが、情報をキチンと理解した上で、気に入ったジュエリーを手に入れて大切に使ってもらいたいな、と願います。

私は、染めていない宝石を使いたいと思っていますし、今回、依頼されているジュエリーも天然の宝石で魅力的なピースを使いたいと思っています。

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