今日はジュエリー構造の「二段腰」について。
「二段腰」というと、このカタチ。
そして、私も昔そうだったのですが
二段腰というだけで、「ダサい!」と決めつけ
前職では、二段腰でジュエリーを作ったことは
無かったと記憶しています。未熟だった~。
きっと二段腰で作った方が良かった宝石は
少なからず、あったハズ。
二段腰、実は今もそんなには採用しません。笑
やはりヴェゼルセッティングの方が好き。
でも、石の色が濃い場合は二段腰にした方が良い。
ルース(石だけの状態)で見た場合
とっても「濃くて」良い色をしている石ほど
二段腰のような
光が全方向から入ってくる構造が良い訳。
このアメシストもとっても濃かった
ヴェゼルセッティングのように伏せ込むと
枠の影で、石の色が暗くなり
宝石本来の美しさが出ません。
当たり前の話ですが、意外と気づいていない
開発者の方も多く、私もその一人でした。
例えば、このリングは爪留めですが
ガードルから下の部分は、贅沢に、プラチナで囲んでいます。
なんだか、石が真っ暗。
爪留めなので上部には光が入るから
元々、濃くて暗めのサファイアなのだと思うけど
それでも、二段腰にしていたら
もう少し素敵な青が出たのでは?とも思う。
ギンザにある有名なお店の1980年代ごろの商品で
(お客様からの預かりもの)
とっても高価だったハズ…。
高価にみせる仕立て(石を高く囲う)が逆効果。
このシトリンも、最初は伏せ込みで作る予定が
二段腰にして正解だった。
濃くて、本当に美しいシトリンだったので
囲っていたら、茶色になっていたと思う。
・・・・
二段腰の良いところは、採光だけでなく
地金を最小限で抑えられることも利点。
金が高騰している今、本当に差となって現れる。
あと、爪留めは簡単に留められるから工賃も
少しのことだけど、おさえられる訳。
昔から作られている二段腰には
知恵が詰まっている訳なのです。
・・・・
個々の宝石の特性を見極めて
つくっていきたい、と考えています。